真夏のファントム2

「さーつきちゃんっ。あれ、何?」

亜由美が五月に抱きつきながら聞く。

そういう待遇になれていない彼女は驚きながらも適切な解説をする。

でかける予定などなかった五月は亜由美の気分転換、という強引な誘いの元連れて行かれた。

それからずっと万事が万事こんな調子である。

亜由美のひとなつっこい態度に五月は面食らいつづけていた。

はじめに会ったとき、亜由美はとてもとっつきにくそうに見えたので意外だった。

そして厳格な伊達家で育った彼女にとってスキンシップは衝撃的ですらあった。

「あらら。あゆ、五月ちゃんにべったりだね〜」

伸が微笑ましそうに眺める。「おいっ。あゆ」

当麻が亜由美の肩に手をかける。

「当麻はナスティと一緒にいれば?」

ぼそっと言う。そうして五月を引っ張って離れてしまう。

「今朝のこと、根に持ってるな」

当麻が独り言を言う。

「私もだ」

征士が当麻をちろん、と見る。

「おい。勘弁してくれよ。冗談だってば」

「そうか」

そう言う征士の眼はすわっている。

「自業自得だよねー」

伸が追い討ちをかける。

「どうしたの?」

今朝のやり取りを知らないナスティが三人を見渡す。

「なんでもないよ」

にっこり微笑む伸。

「ああ、たいした事ではない」

征士も言う。

うそつけっ。根に持っていると言っただろうがっ。

心中で叫ぶも征士にぎろっと睨まれて当麻が黙り込む。

ふっと視線をめぐらせたところに亜由美と五月がおらず、当麻は一瞬、動揺した。

雑踏の中に見慣れた頭を確認して当麻がすっ飛んでいく。

「おいっ。迷子になったらどーするんだっ」

ぐいっと亜由美の腕をつかむ。

「ふーん、一応は心配してるんだ」

剣呑な雰囲気で亜由美が言う。

「あたりまえだろーがっ」

頭にきた当麻が怒鳴る。

「お前ときたらすぐにどっかに消えちまうんだからっ・・・。そのたびに俺はっ・・・」

「ごめん」

亜由美の瞳に傷つきやすい繊細な光が浮かんだ。

「別にいいけど」

はっとした当麻がトーンを下げる。

「ともかく。俺からは離れるな。いいな」

こくん、と亜由美が頷く。

「よし、じゃ、今度はあっちに行こうか」

表情を元に戻した当麻が二人を視線の先に見つけたソフトクリーム屋に連れて行く。

五月はこの二人のやり取りに何か複雑なことがあるんだな、と感じていた。

今朝のこともそうだが、年を重ねると複雑なことが待っているらしい。

「ちょっと三人とも!」

雑踏の中に消える三人にナスティが声をかける。

「大丈夫だ。どうせ、この先にあるソフトクリーム屋でも見つけたのだろう」

征士が安心させるように言う。

「当麻も心配性だけど、ナスティも心配性だなぁ」

伸がくったくなく笑う。

「行こうか」

征士が歩き出す。

「やはり、ここにいたか」

征士が三人に声をかけると当麻はんばぁっ、と振り向いた。

「はひ(なに)?」

ソフトクリームを食べながら当麻が問い返す。

「当麻が食べ物を見逃すわけないもんねぇ」

伸が茶々を入れる。

「しゅうはあらふまひ(秀じゃあるまいし)」

「食べてから話せ」

征士が諭す。

「僕も食べようっと。当麻おごって」

伸がにっこり笑う。

口止め料だよ、と暗に言いながら。

「しょうがないなぁ」

もごもご言いながら財布を出す。

「私もおごってもらおう」

「おい」

「ここのソフトは美味いのだ。ナスティもどうだ? 当麻がおごってくれるそうだ」

「おひっ」

「そう? じゃぁ、お言葉に甘えて」

伸、征士、ナスティもソフトを手にした頃、当麻は俺のこづかい、と嘆いていた。

口は災いの元である。

しかし、一瞬で立ち直った当麻は征士に言った。

「昼飯、牛タンの店、な?」

牛タンを堪能した後、一向は塩釜まで足を運んでいた。

塩釜神社で一向は休息を取った。

散策の後、境内で談笑する。

亜由美はにっこり笑うと五月の体を征士のほうに向けた。

「どうした?」

五月に視線に征士が気づく。

征士に近づきかけた五月の足が止まり、後ろを振り向く。

亜由美は大丈夫、と言ってとんと軽く五月の背中を押す。

「あの、兄様・・・」

五月が毎夜見る夢のことを話し出す。

「お前、五月ちゃんに何をしたんだ?」

当麻が亜由美の背後から近づいて肩をちょんちょんとつついた。

「ん。五月ちゃんにお兄ちゃんに相談してごらん、って」

「彼女が自分で話そうと決めるまでなにもしなかったはずなんじゃないのか? 第一、お前が感じたことと五月ちゃんの問題とは別かもしれないじゃないか」

「だって、あんまりかわいそうだったから。あの子、ずっと怯えていたのよ」

まったく、と当麻がため息をつく。

「お前のおせっかいはほとんど病的だからな。ま、そこがいいんだけど」

亜由美の頭をくしゃくしゃ撫で回す。臆面もなく好意を表されて少々照れる。

「ちょっと、ポニーテールが崩れるじゃない」

照れながら小声で亜由美が当麻に文句を言ったその時、ナスティが驚きの声をあげた。

「黒い犬のようなもの?」

征士と伸も驚く。

まさか・・・。

「亜奴弥守?」

三人の脳裏に彼が扱う山犬が思い浮かんでいた。

「なわけないだろう?」

当麻が言葉を挟む。

「亜奴弥守は妖邪界の守りについているのだから」

当麻の言葉にナスティがそうね、と頷く。

「それでは五月ちゃんの夢はなんなのかしら?」

ナスティも伸も考え込む。妹が言いかけていたことはこのことだったのだ。

征士は妹の様子がおかしいと思ったとき、きちんと聞いてやれなかったことを悔やんだ。

「ともかく。話してくれて良かった。今後はこのような事は隠し立てせず、きちんと言うのだぞ。気の迷いと思ったことも真実かもしれないのだから」

征士が五月に語る。うん、と五月が頷く。

「よし。このことは私がなんとかするから、心配するな」

静かに微笑んで五月の髪をなでてやる。

「それでは家へ戻ろうか? 日も暮れてきた」

征士が皆を見回して言う。

一行が階段を降りるとき、当麻は今日の夕食のことを口にした。

「お前ときたら話すのは食べ物のことばかりだな」

あきれた口調で征士が切り返した。

夕食の後、当麻、伸、ナスティは征士の自室に集まった。

開口一番、征士が当麻に礼を言った。

「あゆが気づいてくれなければ、私は見逃すところだった。妹の、五月の危機に気づかず通り過ぎるところだった」

「礼なら本人に言ってくれ。俺が気づいたわけじゃないから」

「ああ、そうする。だが、正直、兄としては情けない。妹の行動を不審に思ったときに聞いておけば良かったのだ」

征士が押し黙る。

「征士、あなたのせいではないわ」

ナスティが征士の腕に手をかける。

「あたし達だってきづかなかったし。五月ちゃんは懸命に隠していたんですもの。

あゆでなければ気づかなかったはずよ。私達は今は普通の人間なのだから」

鎧は輝光帝が粉々になったときに失せてしまった。

彼らはもうサムライ・トルーパーではない。普通の少年と少女なのだ。

「そうだね」

伸も頷く。

「幸か不幸か、あいつは一生鎧と共に生きていかねばならないからな」

辛そうに当麻が言う。

「こんなこと、と言っては悪いんだが・・・」

当麻が言葉を続けた。

「できれば、この件にこれ以上、あいつを関わらせたくない。俺のわがままで悪いんだが」

このまま関われば力を否応無しに使うことになるだろう。本の少し程度であっても当麻は嫌だった。

亜由美はお人よしと言うかおせっかいと言うかいろんな事件に巻き込まれ、首を突っ込んできた。

その結果、力を際限なしに使うことになり、そのことが彼女の体を弱めていたからだ。

「せっかく、体が元に戻りかけているんだ。できることなら力をこれ以上使わせたくはない」

「当麻の気持ちは痛いほどよくわかるよ。僕たちだってあゆは大切な仲間なんだから」

伸が慰める。

「悪りぃな」

再び、当麻が謝った。

「五月はあゆが私なら解決できると言ったそうだ。だから彼女の手を煩わせることはない」

征士も頷く。

「私、明日、早速図書館で調べてみるわ。何かわかるかもしれない」

ナスティが言う。

「すまない」

「何を言うの。征士の大事な妹さんではないの」

「僕は何をしたらいいかな?」

伸が問う。

「俺は一応、逐次刊行物をあたってみる。ナスティは文献を調べるだけで手がいっぱいだろうからな。どうせ、歴史から深層心理学まで調べるだろうから」

「私は家に何か言い伝わっていないか調べよう」

そうだな・・・、と当麻が考える。

「さしあたって、このあたりの人に黒い犬の情報がないかそれとなく聞いてくれないか。それと俺達がいない間、征士と一緒にあゆと五月ちゃんを見ていてくれたら助かる。あの馬鹿はなにをしでかすかわからんからな」

「それ、当麻のほうがいいんじゃないの? 逐次刊行物って新聞とかの事だろう? それぐらいなら僕にもできるよ」

「いや。聞き込みは人当たりの良い伸のほうが向いているだろう」

「わかった」

伸が頷く。

「それじゃぁ。私達は戻りましょう。あんまり長く征士の部屋にいては疑問に思われてしまうわ」

そうだね、と伸も腰を浮かす。

三人が部屋を出て行く。

ナスティの後姿に征士は思わず声をかけていた。

「どうしたの?」

ナスティが舞い戻る。

当麻と伸は目配せをしてその場を去った。

「いや、当麻の手前、ああは言ったが、今の私に何ができるのだろうかと思って・・・」

自信なさげに征士がうつむく。

「できることからはじめましょう。大丈夫よ。きっと解決できるわ」

ナスティが征士の腕に手をかけて慰める。

「ありがとう。ナスティの言葉を聞いて少し安心した」

こて、とナスティの肩に額を乗せる。ナスティの髪からふわり、と柔らかな香りがする。こうしていると不安も何もかもが消えていくようだ。ナスティの存在がこれほど力になるとは思いもしなかった。こうしてことあるごとにナスティへの想いは深まっていく。

「しばらくこうしていて良いか?」

ええ、とナスティは答えて両手を彼の背中に回した。

 

部屋の前で伸と当麻は亜由美と出会った。

「なにかあったのか?」

当麻が聞く。

そうじゃないんだけど・・・、と亜由美が答える。

「何か私にできることはないかと思って。話そうにもナスティも伸も当麻もいないんだもの。征士のところへ行こうかと思ってたの」

やっぱりね、と伸が当麻を見て部屋に入っていく。

当麻が亜由美を人気のない廊下に連れ出す。

「この件にはこれ以上首を突っ込むな」

でも、と口を開きかけた亜由美を当麻が制する。

「お前は征士なら解決できると言ったんだろう? 自分の言ったことが信じられないか? これは俺たちで解決する。これは命令だ。この件に首を突っ込むな」

仁王立ちになって当麻が宣言する。

「なんで当麻に命令されなきゃいけないの!」

亜由美が声を荒げる。

「命令は命令だ」

きっぱり言う当麻に亜由美がむっとする。

その瞬間、ふわっと空気が動いたかと思うと亜由美は当麻の手の中にいた。

搾り出すような声で当麻が言葉を続ける。

「頼むから。おとなしくしててくれ。これ以上お前に何かあったら俺の命がもたない・・・」

去年の春から初夏にかけて亜由美は当麻達の前から姿を消していた。その直前彼女はある事件を解決するために奔走していた。以前なら何が何でも当麻がついて回っていたが、彼らがサムライトルーパーでなくなったと同時に亜由美は当麻の同行拒むようになっていた。その頃の事を思うと当麻はいてもたってもいられない。華奢なこの傷つきやすい少女は孤独に闘い、あまつさえ異次元に飲まれてたった一人でこちらに帰ってきたのだ。彼女はその時のことをあまり多くは語らない。ただ異次元に飲まれてしまった、と語るだけだった。戦いはいつも厳しく辛い。だが、当麻にはどんな戦いでさえも大切な仲間がいた。

同じ鎧の絆で結ばれし者達。一方、彼女に正確な意味での仲間はいない。彼女の鎧はたったひとつのみ。その亜由美が瀕死の状態で帰ってきてもう一年になる。その間に亜由美は入院と退院をした。その後、当麻の指導で高校を受験し、今年の春一年遅れて入学した。亜由美ははじめ、高校に行くことを良しとしなかった。日常生活とかけ離れた世界に住んでいる彼女にとってそれはとるに足りない事だったからだ。だが、当麻にしてみれば、亜由美は今すぐにでも自分の前から消えてしまうかと日々不安になるのだ。あれほど何度も側にいると約束したのにいつの間にか亜由美は当麻から離れようとしていた。当麻にとってその気持ちの変わりようは大きな謎だった。亜由美は基本的に約束を破る人間ではない。去年必死に帰還した折も約束を守ることに固執して戻ってきたのだ。亜由美は今、ナスティの家にいることを望んでいないふしがある。まして両親のもとへもどる気などさらさらない。

だからこそ、当麻は無理やりにでもナスティの家にいさせるのだ。そうでなければ共にいて守ってやることもできない。

自分にはする役目があると彼女は言い張った。

だが、それに当麻達を巻き込むことを心のそこから嫌がっていた。

彼らが戦いを好んでいるわけではないと知っていたからだ。

亜由美は事に当麻達を関わらせないようにするため進んで憎まれ役を買って出た事もある。

その計画は少しは成就しているといえるだろう。秀と亜由美の仲は最悪ともいえる状態だったからだ。

そして、頑なに皆を拒絶しようとする。そうすることで皆を事から守っているのだと当麻は理解している。当麻にだけは素顔を見せることが多かったが、それも年々隠すようになってきている。放っておけばいずれ本当の姿を見せることはなくなるだろう。五月に見せた人なつっこさも彼女の天性の性格というよりも今は演じているという方が正しい。彼女はいつしかその場その場のキャラクターを演じることに慣れてしまっていた。

その状態が良いことでないのは誰の目にも明らかである。素の自分でいられる空間がほとんどないなど狂気の沙汰である。なんとかせねばと当麻は思うのだが思うように行かない。

当麻が自分のことで仲間たちと意見を違えることも亜由美が当麻から離れたがる理由の一つだった。当麻が一生の友としている仲間達との言い争いに亜由美は胸を痛ませていた。

自分がいなければ当麻は大切な仲間と言い争うこともないのだから、と言う。当麻まで孤立する必要はない、と。

その事で当麻と亜由美は今でもしばしば言い争う。どちらが大切かなどと当麻は両天秤にかけたくはなかった。どちらも欠けては困るもの。

亜由美はだってを数回繰り返した後、わかった、と納得した。

ほっとして当麻は抱きしめる腕の力を抜いた。

「ところでお前、五月ちゃんについているんじゃなかったのか?」

「五月ちゃんなら大丈夫。部屋に結界張ったから」

言い終えて、はっと口をつぐむ。

「お前なぁ〜。力を使うなとあれほどっ・・・」

くわっと当麻が目を見開く。

亜由美はだって、と先ほどから口癖のようになっている言葉を言う。

「あんなに怯えていたんだもの。それにずっと眠れなかったのよ。

ちょっと結界を張ることぐらい別に何でもないじゃない」

そのちょっとが危ないんだ。

そう言いたいところだが、必死になって言いつくろう亜由美の姿に思わず苦笑する。

こういう姿を見ると結局のところは言いなりになってしまう。

ゆっくり息を吐いてからともかく、と念を押す。

「使ってしまったものはしかたがない。だが、今後一切、力は使うな。いいな」

強く言い聞かす。何度言ってもあまり効果がないことは当麻も十分知っていたが。

うん、と素直に亜由美が頷く。

よし、と当麻は言って腕から亜由美を解放する。

「部屋まで送る」

「いいよ。別にすぐそこじゃない」

「目を離すとお前はすぐに何かしだすからな」

信用ないな、と不満そうに亜由美がつぶやく。

「観念しろ。日ごろの行いが悪いせいだ」

「別に私は・・・」

ストップ、と亜由美の唇に人指し指をあてる。

「これ以上言い争う気はない」

そう言って亜由美の手を引く。

ほんの何十歩の距離を手をつないで歩く。

部屋の前までくると当麻はおやすみ、と言って亜由美の額に軽くキスをして去っていった。

亜由美の心に切なさがあふれる。

当麻が一途に想ってくれるのに自分はただそれをおとなしく受け取るしかできない。気持ちを返せない。

はっきりしない自分が当麻を苦しめているのも知っていた。

迦遊羅から当麻を奪っておいて今度は当麻から離れようとしている。

確かに自分は当麻の側にいると約束した。

だが、次々に振りかかる出来事にもう側にはいられないと感じていた。

いや、目の前で起こることを黙って見過ごすのができなかった。だからあえて自分から事件に首を突っ込む。

それに自分が側にいるから当麻は自由になれない。

自分が側にいるから当麻はいつまでも自分を忘れることが出来ないのだ。

嫌い、と言ってしまえばいいのかもしれない。本当に好きならば彼が傷つくのあえてこらえるべきだとも思った。

だが、自分は果たして嫌いだと言い切ってしまえるだろうか? 

かつて当麻達に邪魔者だと言って切り捨てようとした時ですら当麻は信じなかった。

亜由美が張った結界を必死に破って側にやってきた。

亜由美自身の戦いだというのに当麻は背中に自分をかばって闘ってくれた。

あれから三年。当麻への想いは深まるばかり。

何を言っても気持ちは知られてしまう気がして何も言えなかった。

嫌い、と言ってしまえば瞳が逆のことを伝えてしまう。言葉でなんとかするのはあきらめていた。その代わり、少しづつ当麻から離れるようにしていたがそのたくらみも当麻の前では何の役にも立たなかった。離れているはずなのにいつの間にか当麻が側にいる。そしてその状態に安心している自分がいた。

離れなければならない、と強く想うのに反比例して側にいたいと想う気持ちが強まる。

何かあるとこうしてすぐぐずぐずと側にいて頼ってしまう。

人の心をもてあそばないで。

いつか、迦遊羅に言われた言葉が脳裏に響く。

自分はなんてひどい人間なのだろう。

力なく廊下にしゃがみこんでひざに顔をうずめる。

嗚咽がこぼれる。

人気のない廊下で亜由美は声を押し殺して泣きつづけた。

泣いてる。

五月は人の気配にふすまを開けようとして戸惑った。

何の悩みもないように見えた彼女が泣いている。

必死に声を押し殺して。

どうしたらいいのかわからない。

こんなとき兄はどうするのだろう?

ただ、そのままにしておくことしか五月にはできなかった。