あゆの戯言4 幸せってなんだっけ?考

うわー。

おとーさんが怒り狂ってるぅー。

私はバッグの中の携帯のバイブレーションにびびっていた。

ひっきりなしにかかってくる。

かといって怒り狂っているのがわかっていてどうやってとれる?

この間のクリスマスにケンカして仲直りしたところなのに・・・っ。

と、ここは飲み会の三次会会場。

きっかけは七月のテスト最終日に当麻の事がばれたことから。

その場は逃げ出せたけれど、耳の早い女の子達によって新学期早々、根掘り葉掘り聞かれてしまった。

それがよかったのか悪かったのか、なんでか知らないけど、よく声をかけられるようになった。

割に普通に話せる人間だと思われたみたい。

私も今は来るもの拒まず、去るもの追わずだから普通に接していた。

昔は来るもの門前払い、去るもの完全シカトだったからすごい進歩だと思う。

そうしている内にいわゆるご学友というものができてしまった。

私自身が面白い人間だと思われたのか、それとも当麻が有名人だからかそれははっきりしない。

きっと両方だと思う・・・。事あるごとに私が面白いって言われたし、当麻のことも良く聞かれる。

なんでも当麻の事を知ってるのが一種のステータスになっているらしい。そんなステータスいらないと思うけど。

で、しつこく飲み会に誘われて今現在に至る。

最初は断ろうとしていたんだけど、原因は当麻と感づかれて当麻も一緒にとか言われちゃった。

だって、飲み会になんか行っていたら当麻に会えないもん。大学も結構忙しいし。
京都南部の端で講義受けて自宅を通り越して市内まで出向くの結構時間かかるのよ。

でも、さすがのくっつき虫当麻も私の交友関係にまで首を突っ込むつもりはないと言って私だけ参加することに。

まぁ、あーんな事、こーんな事まで知れてたら個人的に顔を合わせたくはないよね。

何を知られたかはもう内緒です・・・。はい。

それで、いつもなら一次会で帰るところなんだけど、割と打ち解けてしまっていたから妙に楽しくてずるずる三次会まで。

こんなに馬鹿騒ぎするの遼達以外にはなかったから、妙に新鮮だった。

調子に乗っていたら終電なくなっちゃった。

わーん。あゆの馬鹿ー。

と自分を叱るも意味なし。

とんでもない夜中だと気付いて抜け出そうとしたけれど、ここは木屋町。

一人で木屋町を歩いて抜けるなんて恐ろしいことできません。

街には酔っ払いが横行しているけど、それ以上に怖いのはおにーさんたちによる強引な客引き。

女の子一人では対処できません。

ど、どうしよう?

とただおろおろするばかりでございました。

 

と、その時、さぁやの携帯が鳴った。さぁやとはこの間、当麻のことを聞くために私を呼び出した子。

いつのまにか名前で呼び合っている。でもってこの飲み会の女の子担当の幹事さんでもある。

「あゆー。ダーリンから」

言われて携帯が投げられる。そうだった。念のためと言ってさぁやの電話番号を聞かれて教えておいたのだ。

わ、渡りに船とはこのことー。

当麻に迎えに来てもらおうっ。

携帯を受け取ってキィを押す。

「と、当麻?」

わーん。助けてー。

あゆ、と低い声。

うわーっ。当麻も怒り狂ってるぅ。

”どこにいる?”

静かな声だけどその分、怒っているのがわかる。

私はしどろもどろになりながら木屋町の店の名を答えた。

”迎えに行くから、待ってろ。それから携帯、こんな時までマナーモードにしておくな。ついたら携帯に連絡入れるから”

は、はいっ。マナーモード解除します。

でも、お父さんからかかってこないかな?

聞くと、当麻が保護するからということで一応今夜はかけないらしい。

でも、その後の言葉にびびった。

”明日以降、覚悟しておけ”

当麻がかばう気ゼロ状態なのがはっきりわかる。二人分の怒りを受けることになるだなんて・・・。

唐突に電話が切れる。

「なんだって?」

回りのみんながにやにやしている。

みんなが想像するような甘い電話じゃないのよぅ。

「迎えに来るって。お父さんが怒り狂って当麻に連絡入れたみたいなの」

情けない声で答える。

えー、と声が上がる。

確かにもう大学二年も終わろうとする人間がちょっとぐらい遅くなっても普通は怒られないよね?

しかも、結婚相手が決まってると言うのに。終電なくなったって市内ならいくらでも迎えに来てもらえるんだもの。

だけど、家は変わってるのよー。

当の当麻自身が潔癖なのよ。

今まで朝帰りおろか、夕方六時には家に帰される。暗くなったら当麻の家から放り出されるのよ・・・。

正式に申し込まれた今はお父さんに自家談判して夜の十時までに変更してもらったけど。

たまに帰りたくないと言っても信用がなくなるからだめ、と一言。

春に過労で倒れたときは看病する人がいなくてしかたなくお世話になったし、この夏は特別に許可を得て当麻の家にずっと泊まっていたけど・・・。

夏のお泊まり・・・。それは、あくまでも来年に向けての英語の地獄特訓・・・。

どこか地獄かと言うとまず、当麻の家中、一切日本語禁止。

テレビはおろかラジオだって英語の番組しかだめ。

唯一日本語を目にできるのは新聞くらい。

でもそれさえ読ませてもらえないんだもんー。

苦労しつつ、英語に挑戦した。

これでもヒアリング能力はある。ただ、どうしても会話にできないだけ・・・。

英語は読解力のみで乗り切ってきた。こうなると知っていれば英会話の講義をとっておけばよかった。

悔やんでも後の祭り。くすん。

言いたいことを紙に書いて英語に直すという方法で挑戦。

だけど、その方法を一目見た当麻の手によってあっけなく禁じられた。

英語で思考して話せと。

そんな高度なことができるわけないでしょーっ。

そうなったらもう、あーとかうーとかしかでてこない。

もうほとんどジェスチャーのみ。

まったく会話が続かないので、譲歩した当麻は食事時と寝る前数時間だけ日本語を許可してくれた。

それだって食事時以外はなかったも同然。

だって、言うのも恥ずかしいけど、寝る数時間前ってほとんど当麻の腕の中だったから・・・。

とか言っても毎日じゃないっ。そうじゃないときはもう英語で頭ノイローゼ気味だったから話す気力もなかったのよ・・・。

だけど、それ以上は譲歩してくれない。

おまけに遼の誕生日パーティに小田原へ行っても、当麻は根回ししててみんな英語でないと話してくれなかった・・・。

唯一、日本語で話せたのは大学行っていない秀ぐらい。

あのちびっこだった純でさえ、もう大学一年だったの。

おそろしい特訓のせいでなんとかたどたどしく話せるようになったけど、正直いって未来が怖い。

しくしく。神様、なんで天は一物も私に与えてくれないのーっ。

 

三十分もしないうちに、携帯が鳴った。

トップ・ガンのテーマ曲。

当麻だ。

着メロを決めるにあたっていろいろ考えた。

当麻は天空だから、天空の城ラピュタとか天空戦記シュラトとか考えたんだけど、ラピュタは牧歌的だし、シュラトはマニア過ぎて・・・。

で、どうせマニアックならマクロスの「愛・覚えていますか」を入れた。マクロスも宇宙ものだし、歌も恋人同士の歌でいいかと。

だけど、私の携帯をいじって着メロを知った当麻がそれだけはやめろ、と言うので変えた。

なんでと聞くとはまりすぎていて怖い、と。つまらない恥を捨てろと言った割には変なことでこだわる。

当麻も恥ずかしいんだ、と言ってメロディを鳴らしてからかっていたけど、あんまりにもしつこくからかって怒られてしまった。

じゃぁ・・・空に関係するものと言ってひねり出したのがトップ・ガン。

これなら普通だろうと言うことで許可が出た。

”店の前にいるから”

出るのが私だとわかっているから用件のみが伝えられる。

当麻との携帯ってほとんど業務連絡に近い。

会話するにも今はほとんど毎日顔を合わせているからそこで事が足りる。

少しは電話でラブラブ会話をしてみたいんだけど。

かゆと遼みたいに。

遠距離恋愛中のかゆは毎晩遼とラブラブ電話。

うらやましい、と言ったら流石にかゆにあきれられた。

うっ。恋する乙女は欲張りなのよっ。

「ごめん。迎えが来たから」

そう言って店を出る。

 

開口一番、当麻の雷が落ちる。

「お前はっ。こんな時間までふらふらほっつき歩くなっ」

ひえー。ごめんなさいー。

「確かに残り少ない学生生活を楽しめと言ったがな。

終電がなくなるまで遊べと言った覚えはない。

限度と言うものを知れ、限度をっ」

ごめんなさいっっ。自覚してますっ。

必死で謝るとまったく、といつもの当麻の口癖が飛び出た。

「帰るぞ」

短く言ってきびすをかえす。

いやー。置いていかないでっ。

必死に後をついていく。

流石に男の人と二人きりだと客引きの声ひとつかからない。

木屋町を抜けて四条河原町まで出る。

そこで当麻がタクシーを拾う。

当麻だって一応免許は持ってるけど、市内で車を運転する一人暮しの大学生はあんまりいない、と思う。

自宅生は関係ないけど。

車だと容赦なく渋滞に巻き込まれるから電車や地下鉄、あとは自転車とか足を使ったほうが早い。

それに一人暮しの学生で車を持っていたら駐車場代がかかるから。

タクシーで当麻の家まで向かう。

車中で当麻は一言も口をきかない。

ひどく怒っているのがわかったので何も言えなかった。

そりゃぁ、婚約者の自分が朝帰りさえさせないというのにただの飲み会で終電なくなってもどんちゃん騒ぎされてたら怒るよね・・・。

ただでさえ、当麻ってば所有欲強いから・・・。

タクシーを降りる頃、私はもう酔いが頂点で最悪だった。

胃が気持ち悪い・・・。

頭がぐるぐるする・・・。

その様子にやっぱり敏感に気付いた当麻が降りると同時に私を抱き上げる。

人前で恥ずかしいけど、そんな事もうどうでもいい。

ひたすら気持ち悪い・・・。

帰ると台所の椅子に座らされ、目の前に水と胃薬がどんと置かれる。

「飲め」

それだけ?

大丈夫? とかなんとかないわけ?

と文句も言いたいところだけど、あまりにも気持ち悪くて言えませんでした。

飲むだけ飲んでテーブルに突っ伏す。

「お前、一体、何杯酒飲んだんだ?」

あきれたような声が聞こえる。

「わからない・・・。ワインとかカクテルいっぱい飲んだ・・・」

それだけ言うとまた雷が落ちる。

「アルコールに弱ければそれなりのものにしとけと言ってるだろうがっ。

ビールが嫌ならせめてチューハイにしておけ。いや、お前の場合、飲み会で酒飲まないほうがいい。

今後はウーロン茶オンリーにしておけ。いいな」

もう、なんとでも言って・・・。

私に口答えする力は皆無です。

はぁ、とため息が聞こえたかと思うとベッドの上に放りこまれる。

それでもってパジャマに着替えさせられる。

いえ、いつもこんなことはありません。

さすがにそれじゃ、過保護じゃない。

今日はもう着替える気力などなくてそのままベッドにもぐりこもうとしたら強引に着替えさせられただけ。

なんで朝帰りさえないのにパジャマが?と思われるかもしれないけど、この間の夏休みに忘れて帰っただけだったりする。

役に立つとは思わなかった・・・。

ぐでんぐでんに酔っていた私はそのまま眠りに落ちていった。

遠くで当麻がぶつぶつ言ってるのが聞こえたけど、もう返事する気力もなかった。

 

翌朝、起きるとさらに最悪だった。

胃がひっくり返っている上に胸はむかむかするし、頭はがんがんする。

ちょっとした物音さえ頭に響いて最悪。顔崩れてるんじゃないかしら?

その様子に当麻がまたあきれて苦笑いする。

「それだけ飲めば二日酔いにもなるだろうが・・・」

うっ。もう飲まないもん・・・。

「飯、食うか?」

そんなもん食べれるわけないでしょーっ。

叫びたいが、無理だった。

「なんか胃に入れないともっと最悪だぞ」

だからと言って食べたら全部戻す気がする・・・。

「まぁ。まずはこれでも飲んでおけ」

と差し出されたのは二日酔い専用のドリンク。

これ?

最悪な頭で当麻の顔を見る。

「たぶん、二日酔いになると思ってさっき買ってきた」

うわーん。当麻、ありがとうっ。

とここで抱きつきたいところだけど、体調的に無理でした。

「ありがと・・・」

短く答えてドリンクを飲む。

少し、胃が落ち着く。

そのままやっぱりずるずるベッドにもぐりこむ。

昨日、当麻が一緒に眠っていないのは分かっていた。

起きたらベッドの脇に椅子寄せて座ってたし、服も昨日と変わっていなかった。

さすがに申し訳ない気がする。

だけど、気分が悪いものは悪いのよー。

みんな、お酒が悪いのよっ。お酒がっ。

いや、確かに自分が悪いのは十分分かってるけど、八当たりしたかった。

だって、すっごく自分が情けなかったんだもん。

もぐりこんだベッドの中でこっそり鼻をすする。

唐突に頭がなでられる。

「落ち込むぐらいなら、もう少し自重したらいいから。次から気をつければいい」

あんまりにも優しい当麻の声にもう言葉も出なかった。

なんだか当麻に迷惑ばっかかけてる気がする。

身も心も史上まれに見る最低最悪状態だった。

 

お昼頃になってようやくましになってくる。

その様子を見てとった当麻がお粥を作ってくれた。

自分で作ると言ったけど、動くな、と一言命令されてしまった。

卒論書かなきゃいけないだろうにと思うもつきっきりで看病してくれる。

流石にお粥を食べさせようとするのは止めた。

スプーンを強引に奪って食べる。

あんまりにも自分が情けなくてぼろぼろ涙が出る。

「お前、食べるか泣くかどっちかにしろ」

当麻があきれて言う。

「だって・・・。情けないぃ?」

えぐえぐと泣く。

「当麻にばっか・・・迷惑かけてる・・・」

「別に、俺は構わないけど?」

ひょうひょうと当麻が言う。

「お前ってあんまりかわいいからついつい構ってちまうんだよ」

「でもっ・・・。旦那様に介抱されるなんておかしい・・・。普通は逆だもん」

「別に俺が倒れたときでも介抱したらそれでフィフティフィフティだと思うが?」

殺しても死なないよーな当麻がいつ倒れるって言うのよっ。

生命力のしぶとさは保証済みじゃないっ。

そう言うと当麻がうーんと頭をかく。

「大学から病原菌でももらってこようか?」

やめてっ。犯罪おこさないでっ。倒れちゃやっ。

そう叫ぶと当麻が笑う。

「だろ? だったら余計なことは考えない」

そう言ってぐりぐり頭を撫でまわす。

もうっ。この人には一生頭があがらない。

「ほら、食ったら寝てろ」

そう言われてまたベッドに押しこまれる。

私って絶対、世界一幸せものだと、思った瞬間だった。

当麻、愛してるー。

 

眠ってまた目を覚ます。

もう日が傾いている。

帰らなきゃ・・・。

そう思ってベッドを抜け出す。

当麻は隣の部屋にいる。卒論書かないといけなから無理やり頼んだ。

「卒論と格闘してるよりこっちのほうが楽しいんだけど?」

と言う当麻を卒業できなかったら結婚できないっと言って脅した。

これ以上、迷惑ばっかかけたくないもん。

立ちあがってやっぱり気分が悪くなってうずくまる。

なんでこんなに気持ち悪いのよっ。

と思うもきっとお馬鹿な私への天罰だと思う。

うーっとうなりながら服に着替える。

顔洗ってないけど、この際仕方ない。

動き回っていたら気付かれるから。

きっとまだ気分が悪いと知っていたらまたベッドに放りこまれるし、このままだとまた泊まらないと行けないから。

折角の当麻のポリシーを出来るだけ崩させたくない。確かに朝帰りしたかったけど、迷惑かけるとわかっていてはしたくない。

がさごそしてると携帯が鳴った。

やめてっ。今鳴ったら当麻にばれるっ。

慌てて手にしてキィを押す。

さぁやだった。

心配して電話してくれた。

”大丈夫?”

「うん。・・・なんとか。まだ二日酔いで最悪だけど・・・」

”ごめんね。引っ張りまわしちゃって”

「さぁやのせいじゃないよ。ちゃんと行動できなかった私が悪いから。あ、お金どうなった?」

”出さなくていいよ”

「えっ。それじゃぁ、悪い」

”いいって。迷惑かけちゃったから”

やっぱ、私って頭悪い。

人の迷惑全然顧みてないんだもん。

”元気になったらまたノート見せてよ”

うん、と短く答えると電話を切った。

力なく床に座り込む。

なんでこんな人間失格が亜遊羅なんだろう?

考え込む。

いくら力があってもこんなんじゃぁ、最悪だよ・・・。

と、ひょいっと抱き上げられた。

「まだ寝てろって言っただろう?」

そう言ってベッドに戻される。

「服まで着替えて・・・。その体調で動けないだろうに。しかも俺に黙って帰ろうとしただろう?」

「這ってでも帰るもん。これ以上迷惑かけたくないっ・・・」

「ちゃんと連絡してあるから、ましになるまでいたらいい」

やだ、を繰り返す。

「頼むからいてくれ」

そう言って抱きすくめられる。

「俺が、いてほしいんだ。二日酔いだろうがなんだろうがいてほしいんだ」

その意味を推し量りかねて顔を見る。

「夏が終わってから俺がどんなに寂しかったか、お前にわかるか?」

切なそうに当麻が私を見つめる。

寂しいって・・・当麻が? だってほとんど毎日顔を合わせてるじゃない。

「お前はどう思っていたかは知らないが、俺はお前をずっとここに閉じ込めていたかったほどなんだぞ」

いきなり告白されて顔が赤くなる。

「折角、また一緒にいられるのにみすみす俺が帰すとでも思うか?」

言われてもっと赤くなる。

「そういうことだから、もう少しここにいろ」

言われてこくんと頷く。

ねぇ、と声を出す。

「そんなに一緒にいたかったら押しかけてこようか?」

「気持ちはうれしいが、あゆを家族から奪うわけにはいかないから」

そう言って苦笑いする。

そんな我慢しなくていいのに・・・。

「今のうちに家族は大事にしておけ。いずれ別れてしまうんだから」

言われて言葉を失う。

「やっぱ、別れのない出会いってないよね・・・」

結婚したらかゆとも両親とも妹とも一緒にいられないし、今は遼たちと集まってどんちゃん騒ぎするけど、

みんな出身地ばらばらだし、いつかは別れるときが来るよね。

当麻がきゅっと抱きしめる。

「だけど、俺はずっとお前のそばにいるから。

今は一緒にいられなくてももうすぐずっといられるようになるから。

だから、悲しむな」

うん、と頷く。

「当麻がいてくれたらそれだけでいい・・・」

呟くともっと当麻がぎゅっと抱きしめてくれた。

私は当麻と一生歩いていこう。当麻をいっぱい、いっぱい幸せにしてあげる。

言うと当麻は愛してる、って一言言って動かなくなった。

当麻の肩がほんの少し震えていた。

ぎゅっと抱きしめる。

当麻が私を女神様って言ったことあるけど、こんな迷惑な人間を拾ってくれた当麻こそ神様だと思った。